夜更けの寝言

掛け持ちおたくによる自分用備忘録。感想やレポ未満。

舞台 刀剣乱舞 慈伝

舞台 刀剣乱舞。慈伝 日々の葉よ散るらむ。あの寂しくて苦しくて悲しくて、でも大千秋楽で後ろから頭を殴られたような衝撃を与えられた悲伝から約1年。刀ステ新作の告知にそわそわしていたら小坂くんの出演が発表され劇場へ足を運ぶと決めたのが3月でした。今まで刀ステはライビュのみだった私がチケを取り生で観る日が来るなんて数ヶ月前の私は露知らず……8月4日の昼夜公演を観てきました。いやーもうすごかった……そして安定の上手側座席だったので所々見えてないのがとても悲しい……後日円盤確認です……
呼び方が変わるのはいつものことです……いろんな呼び方してしまうんだ……読みにくくてすみません。
そして刀ステはライビュで追い続けていて刀ステ自体のファンでもあるけれど小坂くんが大好きで行ったので感想の中心が小坂くん演じる次郎ちゃんです。悪しからず。


悲伝は集大成で今回は少しテイストが変わってて次へ進むためのお話、みたいなことだけ頭に入れて他はほぼネタバレ踏まずに観劇となりました。普段とは全く違う雰囲気、話作りにびっくりしつつも今まで見てきたお話が確かに繋がっていて、笑いつつも少し寂しく、苦しくそして暖かく、ちょっぴり涙も出てしまうようなお話だったなあ、と。苦しくて終始息が上手くできなかった悲伝とは全然違うはずなのに同じ本丸だと感じるあの空気感は不思議だったなあ。時折見えないはずの三日月爺様がそこの縁側から笑ってほけほけ見てるんじゃないかなって。いや、いないんだけどさ。
聚楽第から始まる物語。本当に聚楽第はさらっとで、まさかの映像……笑。いやー走り抜けていくたぬのかっこよさよ……同田貫の低い姿勢で走っていくのが好きなんですよ……元々武子さんの動き方が好きっていうのもあるんだろうけど。あとお鶴……健人さんお鶴のくるくる舞うような殺陣、大好物ですね、ありがとうございます。そしてこれで任務終了、判定は本丸に送るって言われた直後の長谷部がどこか不服そうで笑う。多分「任務をこなし、報告もきちんと上げているのに何故こんな試すようなことをする」みたいな顔に見える。いやあ、全本丸チェック入ったんだよ、長谷部。聚楽第編成が長谷部、鶴丸同田貫、博多、大般若、山伏だったかな……間違えている気もする……その後のオープニングにびっくりして記憶が曖昧で自信が無い……毎回だけど編成覚えてるの苦手だなあ。その編成大丈夫?重くない??って思った記憶はある。
聚楽第後、判定が出て、ナレがあってからばさりと落ちる布、舞台に仲良く座って歌い出す刀剣男士、短刀'sがゆらゆら揺れながら歌ってるの可愛いが過ぎて崩れ落ちそうになる。無理、可愛い。ここで初めて舞台セットとご対面した。いやあ、本当に本丸だった……まさかの2階建てで2階廊下が見えて、縁側があって、襖があって、屋根から顔出せて、塀や木もあるとは……そしてオープニングでも屋根からぴょこっと顔出して歌ってたのめちゃくちゃ可愛い……でもスピーカーのせいで席によっては屋根使ってるの見えないの本当に残念……オープニングで全員で歌って順番に本丸内に捌けていって数人ずつ歌うパートになるんだけど、次郎ちゃんが襖を勢いよくすぱーんっと開けてにこにこしてて可愛いけどもっと丁寧に開けなさい(笑)ってなる。そのちょっぴり大雑把な所もじろ姐のいい所よね 笑。途中上手側の木からたろじろで顔出すのほんとに可愛い……あそこの写真を下さい……言い値で買う……そしてかつてこんなに楽しいオープニングあったっけ……?なレベルで楽しくて可愛い。人数が人数だから今回ソロなかったね。いつもの殺陣満載なオープニングも大好きだけどこういうのもアリだねえ。捌ける時も次郎ちゃんは誰かの肩押して一緒に出て行ってた。じろ姐めっちゃ仲良しじゃん!とこの時確信する。
ここで弁解すると、私、新撰組は拗らせてたけど次郎ちゃんって正直今まであまり育ててなくて。というのも先に太郎太刀、石切丸がほぼ同時に来ていて、次郎太刀が来た時にはその二振りがもう50Lv超えていたのもあって育成が後回しになっていて。ゲームから離れていた時期もあり、小坂くんの出演が決まった時にじろちゃんのレベルを確認したら特付けすらされていない現状でした。その後大慌てでレベリングはしたものの自分の中で掘り下げるまでは行かずに今回の観劇に至ったので、自分の中の次郎太刀像がほぼないまま、小坂くん演じる次郎太刀を受け入れた形になっています。言い訳終わり。


○ほぼ次郎太刀の話。
悲伝後、ひと夏を掛けて新しい本丸を探し、やっと見つけた新居に引っ越してきた秋、聚楽第を終え長義くんがやってきました、という場面から始まるんだけど全体で「山姥切長義歓迎派」「山姥切国広と山姥切長義を会わせたくない派」「五虎退の探し物を一緒に探す班」「本丸引越し班」の4つに大きく分かれていてそれぞれが独立したり絡み合いながら進んでいく感じ。積極的に長義くんを迎え入れようとしているのが次郎ちゃん。「新入りかい?呑もう!歓迎会だ!」「本丸に来たからには家族も同然さ」「私はアンタの味方だよ」っていう一貫して歓迎する気持ちを前面に惜しげもなく言えるあの強さと懐の広さよ……例え長義くんが冷たく接してもなんのその。「ほらほらー飲んで飲んで!」「そんなの飲みながら話しゃいいんだよ」みたいなあの明るさ何なんだろう……全て笑い飛ばしてくれる。そしてめっちゃ博多くんと絡んでいた
博多「やってるー?」次郎「やってなぁーい」
博多「日本号さんも言っとったばい!酒は〜好きなように飲めばいいんだよ」次郎「全然似てなーい」
みたいな掛け合いがそこかしこにあって次郎ちゃんに笑い飛ばされる度に、え、って顔になる博多くんに吹いた。
太郎さんとの畑当番の所での「うっわ兄貴全然泥ついてないじゃないか!神格高ーい!」な流れもとても良きでした……いやお二人とも畑仕事の時ぐらいたすき掛けしよ……最後に2階廊下で
次郎「ねえ兄貴、畑当番代わってよ〜」太郎「私は馬当番ですがそれでも良ければ」次郎「馬か〜馬もお酒飲めるかなあ飲めないよね〜飲ませちゃダメだよね〜」はああ……ってちょい凹みながら去っていくのもとても可愛かったなあ……あれですよね、内番台詞だよね……最高……太郎次郎の掛け合いもっと見ていたかった……
太郎次郎の掛け合いといえば
太郎「私は人の身には到底扱えぬ刀です」次郎「あたしも兄貴ほどじゃないけどさ」と前に出てきてから
次郎「平和は退屈だったかい?」太郎「まさか。平和になるために主を手伝っているのです」
っていうやりとりがあって。これって回想ですよね本当に感謝。そしてあの暖かくも苦しいあの雰囲気はなんだったんだろう……というか「平和は退屈だったかい?」の言い方100億点あげたい……あれ本当に最高……

同田貫と長義が拗れた場面でぱんっと手を打って静かにした太郎太刀があの静かな声で「歓迎会ではなかったのですか」「これが歓迎会の雰囲気ですか」って言うの、あれは太郎太刀が言うからこその重みだったなあと。ほかの誰が言っても物足りない。次郎太刀のように大きく態度や言葉にはしないけれどそれでも心の内では歓迎しようとしていたんだな、というのも伝わってきた一言だったんじゃないかなあ。その前まではどちらかと言えば次郎太刀を窘めたり止めるためのストッパーだったりで次郎ちゃんが歓迎しているから一緒にいるのかな、なんて思っていたけれど全然違ったね。太郎太刀は太郎太刀なりに歓迎していたんだね。その直後の「兄貴、歌っておくれよ」「アタシがこの前教えた歌があるだろう」と太郎太刀の三味線と歌に合わせて次郎太刀が舞うのびっくりした……え、舞うの……?聞いてない……あまりの綺麗さに息をするのも忘れてた。刀振るうのは楽しみにして行ったけど扇持って舞い始めるなんて想像してないじゃないですか……この場面だけでもネタバレ踏んでおけばよかった……と思うレベルでびっくりした。次郎ちゃんから目が離せなかったせいで歌詞は何一つ聞き取れていないし覚えていない。振りに合わせて伏し目がちになる所が本当に本当に綺麗だったし、ターンが素敵だったし手首の柔らかさとか完璧だったと思うんですけど、これ全部私の妄想じゃないよね?次郎ちゃん舞ったのは現実だったよね……?時間が経てば経つほどあれは都合のいい夢だったのではないかと思うほど幻想的でした。あわよくばあの場面だけ無限リピしていたい……

五虎退ちゃんにお酒飲めないなら匂いだけでも……って薦めて五虎退ちゃんが酔っ払う場面で、倒れた瞬間めちゃくちゃ焦った顔してたり、長義の足に引っ付いて「行っちゃだめ!飲むよ!」ってしてたり、長義に「アンタが酔っ払う姿、見たくなっちゃった。…………どんなだろうねえ!!!!!!どんなだろうねえ!!!!!!」の落差だったりかと思えば、ふっと真顔になる時もあって、表情から目が離せない……!ってなっていた。あの、ふと真顔になるあの瞬間どんな気持ちだったんだろう。やっぱり掘り下げたいなら2公演じゃ足りないんだよなあ。

日常の会話の割と中心に次郎ちゃんはいたと思うんです。推しという贔屓目もあってそう感じているのかな、とも思うんですけど。その一言一言がアドリブや話の流れで出たのか、台本に乗ってる台詞だったのかが分からないぐらい自然な会話だったなあ、と。一貫して長義くんを歓迎する姿勢とその想いが乗った言葉たちの中で印象深いものは覚えているのにこんな雰囲気だった、としか思い出せないほど自然な会話だったなあと思うのです。いやあ、すごいなあ……
本丸内での追いかけっこでめちゃくちゃ速い博多くんと追い掛けるよーー!とやる気満々で出て行ったはずがいつの間にか最後尾になっている次郎ちゃん……機動……馬に乗せてもね、遅いんだ……最後の場面でも思ったけど索敵も考慮されてません……?襖すぱーん!と開けて「あれ?新入りくんは……?」ってなっている所めちゃくちゃ可愛かったです。そう言えば刀ステも刀ミュも結構機動や索敵考慮されてる事多いかも。
次郎ちゃんは歓迎部隊なので畳に座っていることも多かったんだけれど、その時に左手を体の後ろ側に置いて体重ちょっと掛けるあの姿勢が物凄く解釈一致したの!!!!!!何でだろうめちゃくちゃしっくり来たから話したいけどその姿勢の時ってあまり会話してないから多分言っても伝わらない……円盤にちらっとでも映ればいいな……そして円盤に映って欲しいと言えば草履履く場面ですよ……戦闘訓練という名目で行われた手合わせの直前に太郎次郎揃って下手側で草履を履いていて、手前に次郎、奥に太郎、次郎ちゃんの刀は外に寝せて置き、太郎さんの刀は横に立て掛けて置き、の状態で履いていたんですけどしっかり履かないと二人とも危ないのもあってか小さく丸まってぎゅっと足入れてたのがめちゃくちゃ可愛くて、でも私自身が上手側に座っているから上手く見えなくて是非是非円盤に入れて欲しい……というか写真くれ……言い値で買う……あの大きい二振りがあの狭い階段で寄り添って背中丸めて小さくなりながら草履履いてるんだよ……なんというしあわせな世界……多分細かすぎて分かってもらえないシリーズな気がする……
手合わせのチーム分けの時にいの一番に「あたしは新入りくんにつくよ」って言えるあの強さだよね。本当に最初から最後までぶれなかった。戦闘が終わって長義くんが負けた後も「探しに行こう」「慰めに行こう」「なーに言ってんだい、行くよ」のあの良くも悪くも強引な所も次郎太刀の素敵な所だな、と。

殺陣の話!これ本当にもうすごいしか言えない……まず抜刀場面がちゃんと見えることに感動した……人の身には扱えぬはずの刀です、が本当に本当に響くレベルで大きい。なんであれ抜刀できるの。そして抜刀して担いだまま上手側の階段飛び降りて走り去って行った次郎ちゃん凄すぎません……?あの長さの衣装で飛び降りようと思ったことにも刀持ったまま飛び降りたことにもびっくりだよ。でもそこまでやってくれたからこそ、ああそこに次郎太刀がいる、と思ったのかもしれない。
ちょうど客席から出てくる所がすぐ近くだったんですけど暗転中に次郎ちゃんは出てきてスポット当たる瞬間にむっちゃんがばっと出てきて飛びかかるんですよ、刀振りながら。暗転中の次郎ちゃんのシルエットが美しくて、あれって円盤映りますかね……上手側客席……同じタイミングで下手側客席で太郎さんも出てきているんだけど見る余裕なかった……刀振りながら飛びかかってくるむっちゃんを刀で去なしながら後ろに避ける次郎ちゃん……そしてそのまま数段飛ばしで階段駆け上り壇上へ。刀ステで見る大太刀の殺陣は初だったわけですが、とにかく豪快。綺麗とか舞うような、と言う言葉より豪快で舞台全面を使って見栄えするような殺陣だった。あれ振り回すのすごい体力と腕力と握力だと思う。室内戦なので、途中次郎太刀が壁に刺さる場面もあり、室内戦という舞台を活かしてるなあと。今度出陣する時は広いところで思いっきり戦って欲しいなあ。結構太郎太刀と次郎太刀がシンメになるような立ち方や配置になっていてとても嬉しかった。あと、次郎ちゃん。あの長い裾どうするんだろう、と思っていたら刀を振るまでは次郎太刀を持っているんだけど、振り下ろしてすっと捌ける瞬間に左手に裾持つの。そして捌けて行った先でばっと下ろす。その一連の仕草が美しくて、ああ次郎太刀はいつも戦場でこうやって戦っているんだなあ、と感動した。そして、裾に自分も周りも当たらないように刀振り下ろしたらすぐに端へ捌けるの。その動線どれだけ練習と確認したんだろう……聞けるなら聞きたい。

どんぐりの袋を見つけて開ける時の次郎ちゃん。開かないならあたしが開けようか?とでも言い出しそうな感じで見てるし何度か手を出そうと前へ出ようとしている。どんぐりにはぽかーんとしていた。まんばちゃんのくそじじい、を暖かく見つめていたの本当に本当に優しいが過ぎた……好き……そして、山姥切国広が修行に行こうと決心する場面で「お土産はお酒でいいよ」って、行っておいで、じゃなくて、行く前提、なんだよね。その言葉の選び方が好き。背中を押す言葉はたくさんの刀たちが言った。だから次は行って帰ってくる言葉、なんだなと。はああ、好き……ってなっている所にエンディングの「さあ行くよ‼‼」の声掛けがまさかの次郎ちゃんで、!?!?!?!?‼‼‼、って声にならない驚き方をしていた。これで本編の記憶が半分くらい飛んだと言っても過言じゃない……そんな、大抜擢、あります……??????
エンディングでも周りの人が踏まないように移動の時には必ず裾持って移動する次郎ちゃん……その写真でもよかったのでは……ランブロ……お辞儀は太郎太刀を見てからなのほんと、ほんとーーー‼‼‼語彙力全部持っていかれました。ありがとうございます。


○次郎太刀以外の話。
自分の中で気になったシーン。好きだったシーン。について。順不同。

・部隊分け。
【本丸引越し部隊】陸奥守吉行、ソハヤノツルキ、大典太光世、南泉一文字(途中から歌仙兼定と交代)
【五虎退探し物部隊】五虎退、前田藤四郎、鶴丸国永
【山姥切長義歓迎派】次郎太刀、太郎太刀、博多藤四郎、鶯丸、大包平、(大般若長光??)
【山姥切国広と山姥切長義を会わせたくない派】へし切長谷部同田貫正国、山伏国広
・手合わせ時部隊分け
【山姥切長義部隊】山姥切長義、次郎太刀、太郎太刀、へし切長谷部大般若長光大典太光世
【山姥切国広部隊】山姥切国広、鶯丸、同田貫正国陸奥守吉行、山伏国広、ソハヤノツルキ
鶴丸国永部隊】鶴丸国永、南泉一文字、大包平、前田藤四郎、五虎退

・山姥切国広に山姥切長義を会わせないようにと画策する、山伏国広、へし切長谷部同田貫正国
最初はへし切長谷部だけが会わせたくない派だったんだけど、悲伝の後ということもあり、突然会わせるよりも少しずつ慣れて欲しい、という思いがあった優しい刀たち。とそこに畳から飛び出してくる鶴丸国永(笑)。びっくりするのが可愛いし、たぬなんて柱にぎゅっとしがみついているの本当に笑った。そして「会わせたらどうなるんだろうなあ‼‼」とわくわくしているお鶴。うん。君はそれでいい。人生には驚きが必要だし、荒療治だって時には必要だ。多分嬉々として会わせようとしていただろうけど、いざと言う時は絶対近くで支えていたであろうお鶴。結局歓迎派とか関係なく、五虎退の探し物お手伝い班になっていた。楽しそうだもんなあ……それにきっと困っている人は放っておけないからごこちゃん助けに行ったんだよなあ。そんな所もお鶴だなあと思いながら観ていた。
鶴丸国永!
五虎退の探し物お手伝い班!「探し物はなんだ?」「言えない?じゃあ大きさだけでも教えてくれないか?」の距離の詰め方や話の進め方が上手すぎる……さすが爺軍に混ざる男……そして探し物チームは客席登場が多かったんですけど必ずお鶴が先に階段登って「大丈夫か?」って手を差し出すんですよ。ごこちゃんに!前田くんにも手を貸してた時もあった……お鶴の「大丈夫か?」とごこちゃんの「ありがとうございます……」は座席によって聞こえ方が違ったからオフマイクな気がする。本丸引越し班が探し物手伝うぞ!ってなった時も「探し物は言えないらしい」じゃなくて「探し物は俺たちだけの秘密だ!でも大きさなら言えるぞ〜これくらいだ」って言えるあのスマートさよ……現実にいたら惚れてしまう……鶴丸国永……すごい男だ……
「人生には驚きが必要だ!」で模擬戦で急遽第三部隊作ってしまう手腕よ……あと私個人的に健人鶴のくるくるとした舞うような殺陣が大好物で、いつ出てくるのかな!?と思っていたらまさかの畳から登場!「よっと。驚いたか?」って登場から楽しそうでにこにこしてしまう。2人を相手にしているとは思えないほどふわりと軽やかに舞っていくの本当に綺麗。生で見れて良かった〜〜〜
万屋から帰ってきた山姥切国広と歌仙兼定
山伏国広とへし切長谷部から下手な誤魔化しを聞いている山姥切国広の「何を言っているんだ」な呆れ顔の綺麗さよ……初演からずっと言っているけれど顔が良い……素晴らしきお顔……何であんなに綺麗なんだろう……そして、荷物を置きに行くためにまんばくんを待っていると思われる歌仙……なんと途中、巾着の紐であやとりするんだよ……本当にスタンダードな中指に掛けるので終わってしまうけど……ふっと思い立ったように紐持つからなんだろうなと思ったらあやとりですよ!信じられます?思わず二度見したよね。あやとりも嗜む男士、歌仙兼定……しかもまんばくんを待っていると思いきや、まんばくんから荷物受け取ってそのままその場にいてまさかのまんば退場だからね……何でずっとそこで待っていたんだい……
・山姥切長義探しと山姥切国広探しの追いかけっこシーン!
台詞も歌も一切なく、楽しい歌が流れていたんだけど、めっちゃ楽しいし、まんばくんの音楽に合わせて首かしげる仕草100万点あげたい。優勝。山伏と長谷部であちこち指差しながら追いかけるぞーの振りも可愛かったけど、やっぱりまんばくん。そして、寝転んだ南泉を運ぶ本丸引越し部隊……全体的に可愛いの大渋滞だった……かつてこんなに可愛い祭りしたことあったっけ……
陸奥守吉行!
いやあ、底抜けに明るい。そこに太陽がいる。ミュむつとはまた違った良さ。今回は話が話だからっていうのもあるだろうけどすごく明るく本丸を照らしてくれる太陽みたいな感じ。そんな彼は本丸引越し部隊。なんと言っても途中のアクロバットに度肝を抜かれる……動ける人だ……そしてけん玉な。自然な土佐弁って感じでああむっちゃんがいるなって思う。大千秋楽ではけん玉失敗だったけれど前楽は大成功だったんですよ「日本の夜明けは近いぜよ!」殺陣も素敵。とても軽やかに動くの本当にむっちゃんって感じ。そして、ミュむつとの大きな違い。ミュむつは拳銃は威嚇道具って感じだったのが、ステむつ手加減なしで頭狙ってるよね!?!?な撃ち方するんですよ……びびる……そしてそれを刀で飛ばした長谷部よ……もしかして日々同じことやってんの……?模擬戦とはいえ容赦ない……最後に審神者に語り掛けるのがむっちゃんだったので、もしかして次作むっちゃんの話くる……?幕末か……?って言ってたら文久土佐藩でしたね……今からどきどき……でもきっとお鶴と一緒に太陽みたいに笑っててくれるでしょう
・歌仙兼定
今回の観劇が東京凱旋で本当に良かった……まさかの初期刀3人で並んでいた……夢の構図……そして歌仙が長義に「長尾顕長は何故、君の写しを作らせたんだろうね?」って語りかける場面が、本当に言葉に重みがあるな、と思っていて。「君のような美しい刀を自分の刀として欲しいと思ったからじゃないのかい?」と歌仙が話しているのを聞いて泣いてしまったんですけど、歌仙が言うからこその重みがあると思うんですよ。兼定は刀工が少なくとも11代目まではよく数えられていて、その中でも歌仙兼定は2代目、通称之定に打たれた刀。兼定の中でも1番有名で美しい刀を打ったとされる之定に打たれた刀が歌仙兼定で、之定の打ったとされる刀は様々な人に求められていたという。そのためか、偽物を之定の刀と偽って売られていたり、兼定の刀ではあるけれど、之定の刀と言われて売られたりしていた。因みに、土方歳三使っていたとされる和泉守兼定も之定の打った刀として手に入れているけれど本当は11代目兼定が打った刀だったそうだ。そこから考えると今ならきっとどれが本物か、どれが偽物か分かるかもしれないが当時は写しや偽物もたくさんあったであろう歌仙が「君のような美しい刀を自分の刀として欲しいと思ったからじゃないのかい?」と発するその強さ。まあ、山姥切のどちらも美しく、逸話がどちらのものか曖昧で、っていう拗れたお話とはまた変わってくるだろうなあとは思うけれど、歌仙はそう考えて乗りこえたのかもしれないと思うと心にくるものがあります……他の会場では別の刀剣男士がこの場面語りかけてるんだろうな……どんな言葉を紡いでいるのか今後要確認。
・今回大活躍だった布!
「布バサが流行ってるんだよ!」「俺の中で!流行ってる!」なたぬも嘘がへたっぴだなあってめちゃくちゃ可愛かったんですけど、鶴のあの楽しそうな感じ!山姥切長義の言葉を聞いて「あーあ!」って察するのがめちゃくちゃ早いし、「回ってなどいない!」「俺は偽物なんかじゃない!」「綺麗とか言うな」「行ってくる」「遠くへ」とか声音を変えながらめちゃくちゃ楽しんでるのが伝わるように話してたの完璧じゃないですか????まんばくんの言葉ばっちり覚えてるしなんなら微妙に受け答えっぽくなってるしとても笑わせて頂きました(笑)そして鶴が去った後、長義くんの後ろに立つ山姥切国広(笑)「おい、鶴丸!」ってすごく強気だったまんばくんと「えっえっ」ととても動揺している長義くん。この時初めて長義くんの気持ちになれた気がする。その前までまんばくんを偽物偽物言うし強気だし集団に入ろうとする様子もないしなんなら周りをどんどん敵に回すような言葉や態度だし、って好きになれる要素が自分の中で見つけられなかったのにあの動揺する姿に、「もしかして今までって強がっていただけ……?」と少しだけ長義くんの方に寄り添ってみたいと思えた。そしてまんばくんが振り向かせてお互いを認識した後から強がる長義くんと小さくなっていくまんばくん。苦しい。だってその山姥を斬ったという逸話は、正しい所が分からないんだよ。段々と長義くんが自分自身に言い聞かせているように思えてきてさらに苦しくなった。 長義くんについての掘り下げはまた後でしよう。
・手合わせという名の模擬戦のチーム決めで南泉が出るか大包平が出るか陸奥守が出るかじゃんけんだーーー!ってやってる後ろで博多くんと歌仙が飲んでいた所を全部片付けているんだけど、そのじゃんけんだ、を聞いて顔を見合わせ、じゃんけん!どうやら運ぶものを決めていたみたいなんだけど多分ちゃんとした打合せしてなかったみたいで何戦かじゃんけんしていた 笑。
・ソハヤノツルキと大典太光世の殺陣!
めーーーっちゃくちゃかっこよかったし、どの瞬間を切り取っても絵になる……芸術……美術館に飾ろう……どの角度から見てもどの瞬間を切り取ってもかっこよくて絵になるってすごい事だと思うんですよね……役者さんのSNS写真だけでかっこいいなーとは思っていたけれどまさか動いてもこれほどかっこいいとは……本当に永遠に見ていられる殺陣でした美しい
・w山姥切の殺陣!
刀の抜き方から刀の振るい方まで似てませんでした?鞘使って戦うところもそっくり……体の動かし方も似せてたし……やっぱり本科と写しという関係性もあって似せたのかな?と。顕現されたての長義と幾千の戦いを潜り抜けてきた国広ではキレや重さが全く違うんだけど根底の動き方がすごく似てるの。もしかしたら序伝と見比べたらめちゃくちゃ似てるんじゃないのかなあ……円盤届いたら見比べてみよう。そして、構図的に悲伝を思い出したのはきっと私だけじゃないはず。最初は手加減しているように見えたまんばくんが段々と冷たい目になってきて温度が無くなっていくような不器用な優しささえ無くなっていくようなそんな苦しい一騎討ちに見えた。あの日に似ているようで全く違う。三日月爺様は強くなって乗り越えて欲しいがための強さだった、まんばくんはあの日の自分と長義くんを重ねてしまって自分の不甲斐なさを責めての強さという名の八つ当たりだった、と私は思った。構図は似ているのに思いが全く違う。何でだろう、あの場面すごくすごく苦しくて苦しさのあまり涙も出ないの。でもきっとこれを乗り越えなければ次に進めなかったんだね。最後を止めたのは南泉だったけれど、あの場面止めるために何振りか動いたし、刀を納めずあの戦いを見つめていた刀が数振りいた。記憶違いかもしれないけど長谷部、大般若、鶯丸、山伏あたりだったような……?きっと山姥切国広が止まれない可能性を予見できた刀と山姥切長義が引かないことを分かっていた刀だったんだと思う。あまりの苦しさに記憶が曖昧なのでこれは円盤チェックです。
・山姥切長義をお茶に誘う鶯丸。
これ本当に鶯丸立ち位置完璧だな、と思ったんですよ‼‼‼大包平の手網握っているようで放置しつつ、一応歓迎派にいますよ、みたいな立ち位置にいたと思ったらちゃんと歓迎派だった、という。「お酒は飲まない」と飲めないのに強がる長義を受け入れ、茶なら飲めるだろう?気が向いた時にでも一緒に飲まないか、という長義くんにとってはきっと入りやすい立ち位置に来たのではないかな、と。次郎ちゃんみたいにぐいぐい来て「歓迎してるよ!」「来てくれたからにはもう家族みたいなもんさ!」というスタンスも大事だけど強がってなかなか肩の力抜いて輪に入りきれない長義にとっては、「歓迎してるけど君のペースでいいんだ」「気が向いた時、心の準備ができた時、いつでもおいで」っていう鶯丸みたいなスタンスも大事だったなあ、と終わってからすごく思った。
大典太光世による霊力!
まさかの人力でがたがたやってるwwwってめちゃ笑ってしまったんだけど、太郎さんはほとんど動かないのね。で、隣にいる次郎ちゃんがすごい動揺した顔で太郎さん見るのがとても面白い。そして隣にいた博多くんの手を思わず掴んで近くに寄せる次郎ちゃん。近くにいた短刀を思わず守ったのね。他の刀たちも見ればよかったーーー!
・どんぐり。
巾着から飛び出てきたものがどんぐりだと気付いた時の衝撃を言い表す的確な言葉が思い浮かばない。義伝の遠足兼遠征任務の時に三日月が拾っていたものだ、小夜が修行前に貰っていたものだ、ここに三日月はずっといたんだ、とかいろいろ今までの思い出が一気に駆け巡って胸の奥のあたりがぎゅうっとなった。そしてこのどんぐり、小夜が手渡されたのはこの目で見ていたけれど、長谷部も、不動も修行前に手渡され、そして、1つだけ三日月が持っていった。その事実がとても苦しく、でも暖かかった。直前に修行行きへと心を向けたまんばくん。「くそじじい」に思いの全てはこもっていたんじゃないかな。あの一言は決意の一言に感じた。そして鶴丸の呟いた「心非ずではない、心は茲にあったのだな」この一言で悲伝と慈伝は完全に繋がったし茲(ここ)という慈伝という名前の元が漸く発覚した。日日を慈しむだけではなかったのだ。その言葉にどれほど救われたか。悲伝後1年悶々とし続けたあの日日が救われたような気がした。この時見て欲しいのは山姥切国広と鶴丸国永の表情。他の刀たちが飛び出たものがどんぐりと知ってぽかーんとしている中、2振りだけは驚き、三日月が五虎退に預けたと知って優しい顔をするの。そう、あの義伝で一緒に遠足に行った2振り。心は茲にある、だからまんばくん、安心して修行に行ってきてね。そしていつか、爺様を迎えに行こうね。三日月の心は茲にある。心が茲にあるならばそれを依代として迎えに行くことも可能なのでは……?と思い、もしかしたら今後重要な物となってくるかも……?なんて考えたけど私如きが察することが出来るほど簡単な話を末満さんは作ってくれないだろうなあとも思いました。新作が楽しみです!
・「落ちた葉はもう元には戻らないんだ」「悲しみはある。されど営みは続いていく」日日を過ごしていく上でとてもとても心に染みた言葉。こうやって舞台の生き様から教えられることもたくさんあるから観劇って止められない。

○大千秋楽カーテンコールのお話
・歌仙兼定和田琢磨さん!今回も句を、詠んで、下さった……山姥切の話が絡んでいて、顔見合わせて笑っていた荒牧さんと梅津さん……めちゃかわでした……その頃必死そうな小坂くん 笑
・次郎太刀!小坂涼太郎くん!いやあ、今回挨拶では泣かなかったね。ただただ言葉を綴るのに必死そうな挨拶でした。時間とかも気にしてたのかな?と思うぐらい珍しく早口……でも頑張ってたことはたくさん伝わってきた。そういえば面白いこと言う余裕もなかったみたいで、「ごめんなさい句は詠んでません」って大慌てで付け足していたな……そしてこの後段々と涙腺に来たのか俯いたり視線逸らしたり顔歪めたり……時々太郎太刀役の小林涼さんが気にかけて声を掛けて下さってたり、何回か五虎退役の設楽銀河くんも心配そうな目線で見ていたのを私は見た。梅津さんの挨拶の時に一度だけ目元を拭ってたけどあとは耐えたみたい。お疲れ様でした。素敵な次郎太刀でした。きっといつかまた出てね。
陸奥守吉行!蒼木陣さん!本当に明るいむつをありがとうございました!挨拶の中で、「むつ」と呼ぶ姿に微笑ましくなってしまった。そして「むつの言葉を借りて最後に蒼木から一言!『 まーかせちょけ!』」のそのひとことで、ああ次はむつが主役になるんだ、と確信した。次回作、楽しみにしています!明るい太陽みたいなむっちゃんに会う日が楽しみです!
・山姥切長義!梅津瑞樹さん!彼の涙につられて、数名のキャストが泣いてたね。小坂くんもでしたけど!きっとこれだけまんばくんが大事にされてきた本丸に入ってくる長義くんって大変だったと思うんですよ。しかも一騎討ちもしなければいけなかったし。戦う座組を1番体現する場面を担うその重み。大変だったし苦しかっただろうなあ……でもそんな梅津さんの演じる長義くんのお陰で本丸にいる長義くんと向き合ってみようと思えました。ありがとうございます。ちょっとずつ仲良くなれたらいいなあ……
・そんな梅津さんでしんみりした直後の大包平加藤将さん!「しんみりした空気を吹き飛ばして!」みたいなあの太陽はどこからくるんだろう??笑。かとしょさんがもう大包平なのかなあ、と思ってしまうような明るさ。そして次の挨拶の鶯丸役、前山剛久さん!「この天然のお陰で」って言ってたの吹いた。めっちゃ笑った。この2人の明るさに本編の間も助けられていたのかもしれない。
・山姥切国広!荒牧慶彦さん!いつも簡潔な挨拶をして下さるイメージがあったのに今回は言葉に詰まりながらお話していて、ああそれだけの想いを込めてこれまでまんばくんを演じて下さっていたんだな、という思いの他にやっぱり次公演出ないんだって確信してしまった。言葉に詰まった時、隣にいた和田雅成さんが背中を1度とんっと押したのが印象的でした。今までたくさんの物語をありがとう。大切に大切に演じて下さってありがとう。そして、絶対にいつか極まったまんばくんで帰ってきて下さい。

○自分の中でいろいろ考えた話。
・五虎退が絶対に失くしたものを言わなかったこと。
初見の時、なんでここまで頑なに失くしたものを言わないんだろう?と思って。形だけで探すのってとても大変だと思うんです。いくら霊力高くて運が良い人たちでも。中にどんぐりが入っていることは言えなかったとしても、いち兄から貰った巾着ぐらいは言ってもいいのでは……?と思い、いろいろ考えてみて、もしかして、刀剣男士が神様っていうのも理由にあるのかなあと。やっぱり言霊ってあると思うし、仮にも末端とはいえ神様には変わりない。神様の言霊は私たち人間には到底及ばないぐらい強い。と考えると「いち兄から貰った巾着を失くしてしまった」と言葉にしたその時点で見つからなくなっていた可能性もあるのかなあ、だからごこちゃんは頑なに言わなかったのかなあ、そして分かっていたからこそ鶴丸は無理に聞き出さなかったのかなあ、なんて考えたけれど、本当の所は末満さんしか分からないのよね……どこかでネタばらし下さい。そして、三日月爺様が五虎退にどんぐりを託したのにも理由があったのでは……?と思っているのでいつか、意図を教えて下さい……五虎退に託した意図について触れてる方が見つけられず、でも絶対何かあると思うんですよ。違うかなあ

・長義くんについて。
一応我が本丸にもいるけれど自分の中で深めないままに舞台を観に行ったので、あまりにも「偽物」に拘るように見えるなあと感じてしまったからこそ思った話。
山姥切長義、という刀は備前長船の長義が打った刀であり、山姥切国広の元となった刀、という程度の認識しかなかった。慈伝の中でも言われていたが長尾顕長が北条氏より賜った山姥切長義を見て、この写しを作って欲しいと依頼し、国広が打ったのが山姥切国広である。
そして、写しや偽物が出回っていたことで有名な虎徹兼定の様子を思い出して欲しい。
まずは虎徹だが、蜂須賀虎徹長曽祢虎徹にお前は虎徹じゃない、と言いつつも自分には自信があるように見えるし、自分の存在を疑う様子はない。そして長曽祢虎徹長曽祢虎徹で偽物かもしれないがまあいい、と虎徹には拘らず自分を貫いているように見える。まあ、長曽祢虎徹に関しては元の主である近藤勇があまり目利きが得意ではなく、虎徹と聞いて買い求めた長曽祢虎徹をずっと「これは斬れるし曲がらない」だから虎徹だと言い続けたぐらいだからそれで自信持てなかったら間に何があった……ってそれはそれで問題になると思うんですけど。それは置いておこう。
そして兼定。特に之定と呼ばれる2代目兼定の刀は特に素晴らしいとされていた。之定に打たれた刀が歌仙兼定である。そして本丸にいるもう一振の兼定和泉守兼定は11代目兼定が打ったとされる話が濃厚だ。それは和泉守兼定の元の主である土方歳三が京に上る際に買えるような代物であったため之定の刀とは考えにくい、という話から始まったと思うがまあ、正しい所は皆様調べて下さい。そしてこの2振りも自分の存在を疑わない。まあこの場合ちょっと特殊で兼さんは写しでも偽物でもなくて刀工が勘違いされやすいってだけなんだけど。
さて、長い前置きをしたところで、あまりにも山姥切国広は写しであることを引け目に思っているし、山姥切長義は自分が本歌であること、国広は偽物であることに固執している気がする。それって来歴に由来するのかな、と思ったのである。友人に「逸話として残っていて今回も繰り返された山姥を切ったのって」と話した時にはまだ自分の中で落とし所が付けられていなかったが、色々調べていて腑に落ちたことがある。二振りとも自信がなく、自己を確立しきれていないのではないか、ということだ。自己を確立しきれていないと言ってしまうと語弊もある気がするが、自分の中で整理したいから書く。
まず「山姥を切ったのは誰か」という点。これは慈伝では「山姥を切ったんだ」と長義くんをが言っている。しかし歴史上はどうか。「国広が山姥を切り、その凄さから長義にも山姥切という名が付けられた」とも言われたり「実際、国広も長義も山姥を切っている」とも言われたり、挙句の果てには「資料は焼かれて残っておらず正しい所は分からない」ときた。二振りの物語は長尾顕長が北条氏から長義を賜った、同じものを自分の刀として欲しかったため、国広を打たせた、以上のことが出て来ないのである。それじゃあ、自分の存在確立するには偽物か本物かになるよなあ、と。
きっと山姥切長義にとって「山姥切国広という偽物の元となったのが自分である」というのが自己の存在を確認する1番の材料だったのではないかと思う。だからこそ、最後の「行ってこい、山姥切国広」以外は全て「偽物くん」だったのではないか。偽物がいないと本物は存在しないからね。と考えると何を言われたって自分の存在を確立するための言葉だから「山姥切」という名前は譲れないし、国広を「偽物」と呼ばなければならない。苦しい刀だよ、お前は……
そして長義は南泉一文字を「猫殺しくん」と呼ぶ。調べてみたら尾張徳川家で一緒だったらしい。ごめん育ててなくて……舞台で見る限りああ、どこかで一緒にいたんだな、とは分かった。思った以上の親密さ。多分長義なりの親密アピールが「猫殺しくん」なのだろう。仲良くなると呼び名を付けるのかな、とこの時思った。仲良くなると、というか関係が深まると、である。そう考えると1番関わりの深い国広に「偽物くん」と付けるのも彼の性格あってのものではないのだろうか。
まあ、あの本丸は、というか山姥切長義の実装が大分遅かったのもあって「偽物って言うなーーー!」となるのも普通なんだけど。まあ、きっとこれからあの本丸の長義は本物とは偽物とはと考え学んでいくんだろうなとは思う。

世界線について。
慈伝は一体どこの世界線なのか。
観る前はただ単純にあの円環後、三日月がいなくなり、壊滅状態の本丸からお引越ししてきた話、だと思っていた。悲伝大千秋楽のあの山姥切国広が勝利し三日月が笑っていたあのルートの先だと思い込んで観ていた。
でもそれって本当に?と思うのは初演か再演付近で聞いた「キャスト変更にも意味がある」という言葉。確かこれは末満さんが言っていたんじゃなかろうか。
今回、会場替りの刀剣男士がいた。その中に1人、名前を見て首を傾げたことを思い出す。骨喰藤四郎役、北川尚弥さん。彼はジョ伝と外伝で出演し、悲伝では三津谷亮さんが骨喰藤四郎役として出演している。何故、今回北川尚弥さんの骨喰だったのか。もしかして悲伝のまんば勝利ルートではない可能性がここで浮上する。
そして今回発表された鶴丸国永役のキャスト変更。まさかの染谷俊之さんである。初演が染谷俊之さん、そして再演から今作の慈伝までが健人さん。再演からループ説が疑われ始め、初演はループから外れているのでは、なんて囁かれていたことを考えると次作の世界線がどこに位置するのかも分からなくなる。もしかして鶴丸に不穏なことが……?と疑心暗鬼に陥ってしまうのも仕方ない。
と、次の公演への不安は置いておいて。
気付いてしまったのが「山姥切国広勝利ルートなんて誰一人として言ってないよね?」である。みんな、「あのこと……」と基本的に濁した言葉になる。きちんと触れたのが長義vs.国広の後の山姥切長義と鶯丸の会話、修行への迷いが見える山姥切国広とへし切長谷部の会話ぐらいだったはずだ。でもその会話をとっても絶対にまんば勝利ルートだと確信できる言葉が出てこない。「あれは仕方がなかった」「三日月宗近が……」という言葉から勝手に勝利ルートと思い込んでいたが、悲伝大千秋楽の山姥切国広勝利ルートでも大千秋楽以外の三日月宗近勝利ルートでも話が通じるのだ。そこに北川尚弥さん演じる骨喰藤四郎。もしかして、と勘繰ってしまうのも仕方がない。
どんぐりを取っても山姥切国広の表情を取ってもそれぞれの会話から推測しても世界線が謎なのだ。大千秋楽に変えてきたり、とも思ったが大きく変わった箇所はなかったはず。本当にどこの世界線なんだろうね。

今回も楽しかっただけでは終わらせてくれなかったね。いつか、また三日月爺様に会えますように。

楽しいひと時をありがとうございました!
自分の中で一区切りつけたからやっっっっと人様の感想考察が読めます!掘り下げられた感想考察を読み漁るぞーーー!
次の現場は小坂くんのBirthdayイベント!monochrome!楽しみです!刀ステの話も聞けるかなあ……